研究課題/領域番号 |
18K00903
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
森 和憲 香川高等専門学校, 一般教育科(詫間キャンパス), 准教授 (60353330)
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研究分担者 |
服部 真弓 松江工業高等専門学校, 人文科学科, 教授 (00300608)
佐竹 直喜 岐阜工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (70758680)
JOHNSTON ROBERT 香川高等専門学校, 電子システム工学科, 准教授 (60743698)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 英語教育 / ライティング指導 / 機械翻訳 |
研究実績の概要 |
2019年度は田地野(2011)における和文英訳問題を、機械翻訳(Google翻訳)を利用して英訳することによって、RQ1)その英文がどの程度まで正確に訳出されているか。RQ2)正確でない場合はどこに問題があるのか。RQ3)その問題を解決するためには意味順英語学習法による中間日本語が役立つか否か、という3つのリサーチクエスチョンを設定し、研究を深めていった。ここまでの結論としては、A1)機械翻訳の正確さは概ね7割程度である。A2/A 3)統語上の問題は、主語や目的語の明確化など、意味順英語学習法を応用できる。しかし、時制や仮定法、前置詞の使用方法など意味上の問題については、意味順英語学習法は応用できない。また、時制や仮定法の問題に意味順英語学習法を直ちに適用することはできないが、「する(です)」のフォルダに翻訳の難しさの問題があるということがわかった。 これらの結果を、実際の英語授業に活かすにはどのようにすべきかについては、1)意味順英語学習法で提示された語順フォルダに入れることができるような形で中間日本語を作成させる訓練をする。その際、主語、述語、目的語を明示するように徹底させることが肝要である。2)機械翻訳では対応しきれない対現在形・進行形・完了形などの時制や仮定法を重点的に教える必要がある。3)語彙や表現の問題については、inputを多くして知識量を増やすように指導しなければならない、という3つの点が重要であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度で行った文献研究を踏まえて、授業実践に移行し、その結果を論文にまとめることができている。
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今後の研究の推進方策 |
機械翻訳の精度の向上もあり、学習者にとっては、英文ライティングにかかる負担はかなり軽減されてきた。意味順英語学習法の中間日本語作成を応用すれば、英文ライティングの統語上の問題には概ね対応できるが、意味上の問題が残る。機械翻訳の発達により英語学習は必要ないとさえ言われる時代になりつつあるが、まだまだ我々英語教員が取り組むべき課題は山積しているといえる。2020年度も引き続き機械翻訳を利用した英文ライティング指導について研究することで、生身の教員にしかできない指導の研究を進める必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定した機器が当初の見積もりより安価に購入できたことと、校務のため出席できなかった学会があったため。
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