研究課題/領域番号 |
18K00905
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 美穂子 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30361653)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 日本人宣教者 / キリシタン / 南蛮貿易 |
研究実績の概要 |
2020年度はコロナウイルスの世界的感染の状況により海外調査は実施せず、主に論文の執筆と単著の英文校正に努めた。単著はThe Namban Trade: merchants and missionariesとして、2021年7月に刊行される予定である。本書の査読プロセスにおいて英文の文法的不備が指摘されたため、二度のネイティブ校閲を要し、本研究費からその費用を支出した。またPalgrave MacmillanのCatholic Missionaries in East Asiaシリーズから、16・17世紀のカトリック日本布教総論について執筆依頼を受け、約15000単語の英文論文を執筆した。その校正と一部翻訳費用に本研究費を用いた。また昨年度より引き続き、Cambridge History of Japanの担当章加筆をおこない、そのための英文校正費用を本研究費より支出した。一般向けの研究成果の公開としては、2020年10月に大村市歴史資料館(同郷土史講演会)、2021年2月に長崎県世界遺産課(世界遺産2周年記念講演)、2021年3月に大分市(おおいた大友学セミナー 戦国史シンポジウム)、同月に島根県世界遺産センター(石見銀山研究会)主催 のシンポジウム及び公開講座で招待講演をおこなった。また関係論文9本(講演記録含む)と共著の増補新訂版が刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の成果は、日本語のみならず英語で発信することを当初から目標にしており、Cambridge University PressとPalgrave Macmillanという世界的大手の学術出版社の歴史講座シリーズから寄稿依頼を受け、すでに原稿は編者の手元にある。またまもなく英文単著が刊行される。日本の学術研究の海外への情報発信という点では、日本人研究者としてはかなり高いレベルで勝負していると自負している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は本研究の最終年度である。昨年度に続いて海外での史料収集は見込めないため、今年も英語論文執筆、日本語単著の執筆、公開講座での講演等に努める。英語論文としては、フランスのINALCOから原稿依頼を受けており、順調に準備を進めている。連続する次のプロジェクトについても準備を進めており、九州を中心とした地方自治体での資料収集と研究情報の交換に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの世界的感染状況により、2020年度は予定していた海外調査を実施できなかったため。2021年度は最終年度にあたり、研究成果である英文書籍2冊(単著・編著)を刊行予定であり、その献本代、送料にあてる。また継続して海外の共同研究での英語論文寄稿を求められているため、その翻訳・校閲費用にあてる。
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