研究実績の概要 |
本年度は、当該プロジェクトの最終年度であったが、その成果は大きく分けて2冊の英文著書と2つの講座論文(日本語、英語)として刊行することができた。まず単著として、The Namban Trade: Merchants and Missionaries in 16th and 17th Century Japan (Leiden & Brill, 2021)を6月に刊行した。本書の刊行のために、本研究費から校閲費用などを支出し、刊行後配布分の購入、デジタル版の一章オープンアクセス公開権の購入などに充てた。本書はその後海外で少なくとも2種類の学術誌上の書評として紹介され、英語で読むことが可能な国際的な環境における日本史の研究として、非常に高い評価を受けた。その後、ポルトガルの大航海時代史とそれに続く文化現象に関する世界的な研究に対して与えられるOrient Foundation Prizeに大賞受賞作として選出された。また編著としてWar and Trade in Maritime East Asia(Palgrave Macmillan, 2022)を刊行し、自らの研究だけではなく、共同研究をおこなってきた日本人研究者の研究を英文で刊行した。本課題に直結する論文としては、2022年刊行予定のCambridge History of Japan vol.1に収載が決定されている "Domesticating Christianity in Japan"の改稿をおこない、その校閲費用等を支出した。
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