研究課題/領域番号 |
18K00910
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山本 裕 香川大学, 経済学部, 准教授 (10550113)
|
研究分担者 |
張 暁紅 香川大学, 経済学部, 教授 (00452722)
長廣 利崇 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (60432598)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 東アジア / 経済的秩序 / カルテル / 石炭 / 炭鉱企業 / 競争と協調 |
研究実績の概要 |
・研究成果1:東アジアにおける石炭カルテルについて (1)学会報告:Toshitaka NAGAHIRO, Yu YAMAMOTO “The International Coal Cartels in the East Asian Market, 1916-37“ 本報告は2018年8月1日に、XVⅢ World Economic History Congress(於 マサチューセッツ工科大学)において、“International Cartels in the 19th and 20th century: National Perspectives ”と題するセッションにおいて行なった。本セッションにおいてアジアを事例とした報告は本報告のみであったが、セッションの他の報告と合わせて比較することで、本報告で扱った東アジア石炭カルテルの特殊性と一般性が示された点が有意義であった。なお本報告を基に現在英文論文を執筆しており2019年度には公表の予定である。 ・研究成果2:日本植民地都市経済史の観点から見た競争と協調 (1)研究報告:山本裕「日本植民地都市経済史研究の現状と課題―「満洲」を中心として」(2018年度第3回立教大学経済史・経営史ワークショップ、2018年12月21日,於 立教大学池袋キャンパス)。本報告を通じて、植民地都市経済史研究において蓄積された研究成果を踏まえて、「競争と協調」という実態を通じた経済的秩序という領域についても解明すべき課題であることを提示した。なお本報告を基に論文を執筆しており2019年度には公表の予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題が当初の計画通りにおおむね順調に進展している理由は以下の3点である。 1.2018年8月に開催された国際経済史会議でパネルディスカッションの報告を長廣・山本が務めた点である。報告後、他のパネルディスカッションメンバーと議論を行なったことで、本研究課題の国際的位置付けが明確となった。現在執筆中の論文はそこでの議論を踏まえたものとなっている。 2.研究メンバー同士で行なった2回の研究会において、有益な議論が行われた点である。そこでのたたかわれた議論の内容が、12月に立教大学ワークショップで行なった報告に活かされることとなった。 3.国内における資料収集・整理が順調に進んでいる点である。都内各機関において収集した資料について、学生アルバイトを雇って資料入力等の業務を行なわせたことにより、交付者は研究への一層の専念が可能となった。
|
今後の研究の推進方策 |
当初計画の通り資料調査を進めていく。2019年度以降に進める資料調査で収集した資料と合わせて、検証結果をまとめて公表することに集中する予定である。なお、必要に応じて追加調査を行なう。研究成果については適宜、論文を公表していく予定である。 また、今年度も研究メンバーと研究会を開催することで、各メンバーが研究上直面している課題を共有し、相互に議論を行なうことを通じて、各メンバーが執筆する論文に活かしていく。 今年度と同様に資料収集と整理・分析作業を行ない、研究メンバーが研究会で研究報告を行ない、相互批判を行なうことを通じて、公表する論文の制度を高めていくという、シンプルではあるが効果的な循環プロセスを継続していく。 なお資料整理については一定程度の時間を費やさざるを得ないことから、今年度に引き続き、学生アルバイトを雇用して入力作業等を行わせることも視野に入れていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額(B-A)は7.943円である。この部分の助成金は資料の相互貸借にかかる費用に充てて使用する予定である。
|