研究課題/領域番号 |
18K00916
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
渡辺 愛子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10345077)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | イギリス文化外交 / 20世紀イギリス史 / 冷戦期 / ブリティッシュ・カウンシル / オーストリア |
研究実績の概要 |
本研究課題は、イギリスを対象に、20世紀という歴史的文脈における政治的な文化の様相を理論と実証の両側面から考究するものである。 2年目の本年は、冷戦期イギリス文化外交の文化投影と東側諸国における受容と応答について、一次史料をもとに、イギリス文化のインプットとアウトプットの両側面を精査することが目的であった。本研究課題が注目する点は、政治的に対立する西側・東側陣営が「文化」をめぐり、いかなる干渉・共振を繰り広げて交流を存続させていたのかということであり、その究明には、東西おのおのの陣営が相手に対して行った文化投影や受容、そして「反響」の度合いなどにも量的・質的な調査が重要であるとの認識が生じたことから、本年はまず夏季のイギリス出張で、両陣営で発刊された当時の定期刊行物(新聞・雑誌)に見られる読者の反応を見るべく、ロンドンの大英図書館と公文書館においておもにリサーチを行い、イギリス側の資料については一部を閲覧することができた。しかし、予定していたほどの読み込みがかなわず、この穴を埋めるべく、冬季にもイギリス出張を行い、イギリス側の資料については大体の概観を得ることはできた。昨年からの調査の途中でオーストリアとイギリスの文化関係に注目することとなったため、春季にはオーストリアに渡り、国立図書館でのリサーチをはじめたところ新型コロナウィルスの感染拡大のあおりを受け、緊急帰国を余儀なくされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査対象とした新聞の入手が困難だったこと、閲覧できた新聞の分析に時間がかかったこと。さらに、新型コロナウィルス感染拡大の影響が学究生活のさまざまな点に及び、リサーチの時間が大幅に削減されたことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの影響が依然としてあるため、この夏に海外調査に行けるのかどうか現在のところ不明瞭である。資料が基本的に海外に存在するため心配は尽きないが、日本において入手可能な資料を探し、二次文献調査を進めるなどして、本研究課題の補完に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数が残りました。
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