本課題では、中世以来の荘園景観や地域構造、習俗や領域観念など地域社会の歴史過程に関する総合的研究を行った。題材として東大寺領伊賀国黒田荘故地(現三重県名張市)、讃岐国善通寺領故地(現香川県善通寺市)を採りあげた。 前者については荘の中心地である黒田地区・竜口地区について関係史料の精査と現地調査を行い、荘園景観の復原と中世以来の地域構造の歴史過程を明らかにした。明治期以降に東大寺から散逸した史料の調査も行い、新出史料を発見した。一方、後者については同寺所蔵の荘園絵図などをもとに現地調査を行い荘園景観の復原を行い中世以来の地域構造の歴史過程を明らかにした。善通寺所蔵の中世史料の包括的な調査も行った。
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