人類の課題のひとつは、地域紛争の解決である。現代の戦争・紛争は地域紛争が中心であり国境に限定されていない。日本中世の戦争も、国境や郡境を意識しながらも地域紛争として戦われる。中世における国境・郡境の持つ意味について考えることは、現代の紛争について考える際にも大きな意味がある。 国郡の意味については、その枠組みが各時代を通じて意味を持ったとする議論とその地域区分が、紛争と紛争解決から生まれたファジーなものであるという議論が対立している。 研究上議論となっている、中世の紛争と紛争解決における国郡という地域区分の持つ意味を検討する際に、本研究により作成したデータベースは重要な意味を持つ。
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