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2019 年度 実施状況報告書

古代の宮中宗教行事に関する日中韓比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00954
研究機関東北大学

研究代表者

堀 裕  東北大学, 文学研究科, 教授 (50310769)

研究分担者 三上 喜孝  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (10331290)
吉田 歓  山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 教授 (70312618)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード仏教 / 比較史 / 韓国 / 中国 / 王宮 / 宗教
研究実績の概要

日本と朝鮮・中国の比較宗教史を念頭に、本年度は、研究会を二度開催した。初会は8月に、仙台古代史懇話会と共催で、熊谷公男氏(研究協力者)「7世紀後半の倭国の対外政策と東アジア」と三上喜孝氏「『観世音応験記』の周辺ー日本古代における観音信仰の受容をめぐってー」の報告が行われ、対外交流史と文化交流史の視点から、日本と百済・新羅の関係を明らかにした。また、12月には吉田歓氏「古代中国の宮殿内の宗教的空間」、三上喜孝氏「「龍王」関連文字資料の再検討」、堀裕「日本・新羅・百済の王宮と山林寺院」の諸報告が行われ、王宮とその周辺にある園池や山林などにおける宗教行事を素材として検討をすすめることで、日本と朝鮮、中国の比較史のための基礎作業が披露された。これら一連の研究報告では、歴史書や説話史料はもとより、出土文字資料や儀礼空間、古代遺跡などの分析を通じて、日本と朝鮮・中国における宮中およびその周辺における宗教行事の特色を明確にすることに成功している。また9月には、韓国の研究機関の多大な協力を得て、研究協力者等とともに、韓国の百済、とくに扶余・益山や周辺の寺院・寺院跡・磨崖仏などの踏査と見学を実施するとともに、調査担当者などから、多くの遺跡に関する情報を得ることができた。この踏査によって、王宮と寺院、さらには王墓の発掘成果や地理的な関係を明確に理解することに成功している。研究報告と遺跡踏査の成果は、研究進展のためには大きな成果があったと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、研究報告会を夏と冬の2度開催することができたほか、韓国への遺跡踏査も、韓国の研究機関の協力を得ることで、計画以上の遺跡・遺物や情報を得ることができたためである。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルスの影響に左右されるが、現時点では、国内研究会と国際シンポジウムを開催するほか、中国への遺跡踏査を実施することで、日本・中国・韓国の比較宗教史研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者の三上喜孝氏が、韓国踏査の直前に体調を崩し、参加できなくなったため、旅費に余剰が生じたほか、書籍の購入を翌年度刊行予定の図書を検討したため。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 慶州・雁鴨池木簡の薬物名木簡再論 -古代東アジアの医薬文化-2019

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 218 ページ: 299‐307

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本出土の古代文字資料-秋田県秋田城跡111次調査出土具注暦記載漆紙文書-2019

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      木簡と文字

      巻: 22 ページ: 361‐371

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 書評・李成市著『闘争の場としての古代史-東アジア史のゆくえ-』2019

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 128-7 ページ: 30-37

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本史からのコメント2019

    • 著者名/発表者名
      堀裕
    • 学会等名
      2019年国立慶州博物館新羅学国際シンポジウム 金城の南山と平城京の東山―王都周辺の山林寺院に関する日韓比較―
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日本・新羅・百済の王宮と山林修行2019

    • 著者名/発表者名
      堀裕
    • 学会等名
      第4回東アジアの宮都と宗教行事研究会
  • [学会発表] 書き換えられた東北の古代・中世―平泉(柳之御所)30年の成果―2019

    • 著者名/発表者名
      吉田歓
    • 学会等名
      第20回平泉文化フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 古代中国の宮殿内の宗教的空間2019

    • 著者名/発表者名
      吉田歓
    • 学会等名
      第4回東アジアの宮都と宗教行事研究会
  • [学会発表] 『観世音応験記』の周辺 -日本古代における観音信仰の受容をめぐって-2019

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 学会等名
      仙台古代史談話会・第3回東アジアの宮都と宗教行事研究会
  • [学会発表] 出羽国と古代仏教 ~列島周縁に広がる古代仏教を考える~2019

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 学会等名
      2019年度前期企画展「秋田城と古代仏教」講演会
    • 招待講演
  • [図書] 勉誠出版2020

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 総ページ数
      16
    • 出版者
      東アジア古文書の中の画指(小島道裕・田中大喜・荒木和憲 編/国立歴史民俗博物館 監修『古文書の様式と国際比較』)
  • [図書] 常修多羅衆成立をめぐる基礎的考察―大寺を支える僧侶組織―(菱田哲郎・吉川真司編著『古代寺院史の研究』)2019

    • 著者名/発表者名
      堀裕
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      思文閣出版
    • ISBN
      9784784219681
  • [図書] 出羽国成立史論『辻尾榮市氏古稀記念歴史・民俗・考古学論攷(Ⅰ)』2019

    • 著者名/発表者名
      吉田歓
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      郵政考古学会・同氏古稀記念論攷刊行会

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公開日: 2024-12-25  

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