昨年度はコロナ禍の影響で出張も思い通りにいかず研究期間を延長したが、最終年度となる本年度は、コロナの影響を受けつつも、全体として当初の予定通りに宮崎家で調査を実施させていただき、科研費の支援に見合う研究成果をあげることができた。 本研究の目的は、宮崎滔天・龍介研究、および日中交流史研究の土台を再構成することである。以下、資料の公開と保存に分けて進捗状況を説明する。今年度取り組んだのは、昨年度に作成・投稿した「宮崎家所蔵宮崎滔天関係資料目録」『人文学報』117号(2021年5月)のうち貴重と思われる資料の一部をアルバイトの支援を受けながら翻刻することである。また、それ以外にも滔天関係で貴重と思われる資料のデジタル化を業者に依頼して保存作業を進めた。上記の翻刻した滔天関係資料の一部は、『人文学報』119号(2022年6月頃刊行予定)に掲載予定である。宮崎家所蔵の滔天関係資料はすでに『宮崎滔天全集』にほとんどが収録されているが、今回の翻刻資料はそれを補う貴重なものであり、日本史、日中交渉史の研究に役立つと考えている。
|