諸外国における前近代の日本の歴史の研究はどのような継承関係を持っているかを調査した。調査の対象は、東アジア諸国は割愛し、最終的に欧米の学界に絞った。欧米諸国にあっては、幅広く言語・文学・民俗・美術等の専門分化を生み出しながらも、そこに日本の歴史そのものについての一貫した関心が見出せるからである。 調査の結果、欧米諸国の中でも、かなり学統のあり方が異なることが分かった。一つないし複数の拠点校で深化していったドイツ・オランダ(フランスもこれに近い)、外交官の関心から興り、拠点校はあるものの明確な学統を描きにくいイギリス、かなり明確な学統が継続しているアメリカとまとめることができる。
|