研究課題
基盤研究(C)
九州の中世文書のうち、文書が多い佐賀県・大分県に関しては、データベースを作成した。九州大学やそれ以外の機関が所蔵する中世文書原本の調査を行い、釈文の再検討の他、料紙・封式・墨色等についても検討を行った。九州大学所蔵「来島文書」「草野文書」「一紙文書」については、史料集を作成した。九州の中世文書を時代別に数量的分析を行い、南北朝期と戦国期の文書が多いこと、室町期の文書は少ないことを明らかにした。その原因は、室町時代の九州が政治的に不安定であったことと、文書作成状況の変化によるものと考えられる。
日本中世史
九州は中世文書の宝庫とされているが、その時代別の特色やその背景に関してはあまり検討されてこなかった。本研究では、2万点以上の九州の中世文書を時代別の数量分析を行い、時代的な特徴とその歴史的背景について解明することができた。こうした研究成果は、文化財の保存や研究にとっても大きな意義を有している。