本研究では、中国内戦期における中国共産党と中国国民党の軍隊運営について比較分析をおこない、軍隊建設の方法そのものには特筆すべき差異がなかったことを明らかにした。両党ともに主として「雇用」、「強制」、「寝返り」に大きく依存する形で兵士を集めていた。では、内戦の帰趨を決した軍事的な要因は何だったのか。本研究では、各種史料の分析をつうじて、ソ連の中共に対する軍事支援が先行研究で想定されていたものよりはるかに多岐にわたり、かつ大規模なものだったことを明らかにした。この発見に基づき、本研究は、中国国外からの介入が本質的にあまり差のなかった国共両軍の戦いに決定的な作用を及ぼしたという新たな視点を提示した。
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