研究課題/領域番号 |
18K00991
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
蓮田 隆志 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (20512247)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ベトナム / 近世 / 古文書学 |
研究実績の概要 |
2018年度は8月にハノイのベトナム社会科学アカデミー漢文・チューノム研究院(漢喃研究院)、クアンナム省のホイアン遺跡管理保存センターにて調査を行った。漢喃研究院では、主に文書研究に関連する文献の閲覧を行ったほか、古文書学的研究の状況について情報収集を行った。ホイアン遺跡管理保存センターでは、センターが保存する近世文書史料の保存状況および出版・公開状況についてレクチャーを受け、既に公刊されている史料集(非売品であり、現地で直接入手するしか手立てがない)を入手した。所蔵文書は、日本で言うところの寄託扱いであり、外部者の閲覧には所蔵者の同意が必要とのことで、次年度に正式の閲覧申請を出すこととした。また、その際の申請書作成に関してセンターの所員よりアドバイスを受けた。 研究成果としては日越外交に関する論文2本を発表し、外交および文書に関する学会報告4本を行った(うち、英語報告2本)。さらに、中近世日本―東南アジア関係史にとって重要な、朱印船・南洋日本町関係地図に関する雑誌特集を企画し、企画の意義について説明する巻頭言を担当した。これらのうち、ベトナム調査での成果が最も反映されているのは日本ベトナム研究者会議(2018年11月)およびAAWH(2019年1月)での報告である。いずれも、文書での押印やサインの機能について論じたものである。19年度の調査とその分析を踏まえて、学術論文として成稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査によって文書保管の状況が把握できたこと、公刊史料集を用いて国際報告を含む学会報告が行えたこと、以上の2点からみて順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に収集した公刊史料集の分析を引き続き進めるとともに、2019年度には文書現物の調査を実現したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降の交付内定額が本年度よりも少ないため、現地調査日程と必要な書籍購入予算を十分に確保するため。
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