| 研究課題/領域番号 |
18K00996
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| 研究機関 | 神戸大学 |
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研究代表者 |
伊藤 隆郎 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (60464260)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | アラビア語歴史叙述 / マクリージー / マムルーク朝 / 知的ネットワーク / ポスト・モンゴル期 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、741-784/1341-1382年に関するアラビア語の歴史叙述について、マムルーク朝の代表的な歴史家マクリージー（766-845/1364-1442年）の年代記『道程』を中心に検討し、ポスト・モンゴル期（14世紀半ば-16世紀初頭）の中東（西アジア、北アフリカ）における知的ネットワーク（知識人の交流範囲、情報網）を解明することを目指す。具体的な研究項目は、次の通りである。（１）『道程』および他のアラビア語史書の諸写本の調査・研究。（２）『道程』の741-784/1341-1382年の批判的校訂テキスト、訳注、索引の作成。（３）『道程』と他のアラビア語史書との関係の解明。（４）『道程』などアラビア語史書における「異国」に関する情報と情報源の分析、ポスト・モンゴル期中東の知的ネットワークの解明。
上記研究項目の（１）については、この間に『道程』の741-784年をカバーする写本14点を収集したが、コロナ禍のため、イスタンブルのトプカプ宮殿博物館附属図書館、スレイマニエ図書館における他のアラビア語史書の写本調査を再度延期せざるを得なかった。（２）については、今年度中に762/1361年までを第１分冊として出版するべく、作業を進めているところである。（３）では、743-745年の記述について、および749年の黒死病に関する記述について、それぞれ論文を執筆中である。（４）については、マクリージーなどが書いたイブン・ハルドゥーン（732-808/1332-1406年）の伝記各種を比較した論文がこの間に出版され、さらにマクリージーの伝記集に収録されている「アフリカ人」を検討した論文を書き、投稿したところである（現在、査読中）。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記研究項目の（１）で、予定していたイスタンブルのトプカプ宮殿博物館附属図書館、スレイマニエ図書館における他のアラビア語史書の写本調査を再度延期することにしたため。また、（3）について、(2)と(4)を優先ししたために、まだ論文が完成していない。さらに、(2)も英語訳の作成が遅れている。
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| 今後の研究の推進方策 |
上記研究項目の（１）については、イスタンブルへの渡航が可能になれば、すぐに調査を行いたい。（２）については、762年までの校訂テキスト、訳注、索引の作成する。（３）については、上記の現在準備中の論文2本を完成し、投稿する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、予定していたイスタンブルでの調査を再度延期することになり、次年度使用額が生じた。イスタンブルへの渡航が可能になったら、すぐに調査を行う予定である。
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