研究課題
本研究は、741-784/1341-1382年に関するアラビア語の歴史叙述について、マムルーク朝の代表的な歴史家マクリージー(766-845/1364-1442年)の年代記『道程』を中心に検討し、ポスト・モンゴル期(14世紀半ば-16世紀初頭)の中東(西アジア、北アフリカ)における知的ネットワーク(知識人の交流範囲、情報網)を解明することを目指す。具体的な研究項目は、次の通りである。(1)『道程』および他のアラビア語史書の諸写本の調査・研究。(2)『道程』の741-784/1341-1382年の批判的校訂テキスト、訳注、索引の作成。(3)『道程』と他のアラビア語史書との関係の解明。(4)『道程』などアラビア語史書における「異国」に関する情報と情報源の分析、ポスト・モンゴル期中東の知的ネットワークの解明。上記研究項目の(1)については、この間に『道程』の741-784年をカバーする写本14点を収集したが、コロナ禍もあり、イスタンブルのトプカプ宮殿博物館附属図書館、スレイマニエ図書館における他のアラビア語史書の写本調査を諦めざるを得なかった。ただし、British Library所蔵の無名氏のアラビア語写本を分析し、その著者をつきとめ、学会で報告した。(2)については、762/1361年までを第1分冊として出版するための作業を引き続き行なっている。(3)では、ナースィル・ハサン治世に関わる論考を2本書き、刊行した。また、749/1348-9年の黒死病に関しても論文を書いて発表した。さらに、743-745/1342-5年の記述についての研究も引き続き行なっている。(4)については、オスマン朝初期の君主たち、「アフリカ人」たち、同時代の西欧それぞれがマムルーク朝で著された歴史書にどのように描かれているかを検討した論文、計3本を準備中である。
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西南アジア研究
巻: 94 ページ: 1-35
Anna Kollatz (ed.), Mamluk Descendants: In Search for the Awlad al-Nas
巻: 1 ページ: 195-215
Encyclopaedia of Islam, Three
巻: 1 ページ: 123-126