| 研究課題/領域番号 |
18K00998
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| 研究機関 | 岡山大学 |
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研究代表者 |
和田 郁子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80600717)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | アジア海域史 / 南アジア史 / オランダ東インド会社 / コロマンデル海岸 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、近世日本で主に刀装の素材として用いられた熱帯アジア産の鮫皮について、その重要な産地であった南インド・コロマンデル海岸から主要消費地たる日本に至るまでの調達過程を、当時コロマンデル海岸と日本の双方に活動拠点をもっていたオランダ東インド会社の史料群を精査することにより明らかにすることを目指すものである。
2019年度は、前年度末に実施したオランダでの資料調査の際に入手した、資料・文献の読解を中心に研究を進めた。具体的には、ハーグの国立文書館においてデジタル・データの形で収集した未刊行文書の読解を重点的に行い、他の諸資料から得られる情報を合わせて分析することにより、とくに18世紀に入ってからのコロマンデル海岸におけるオランダ東インド会社による鮫皮の調達状況の推移や、日本への輸出状況との連関が徐々に明らかになってきた。分析を進めるに際しては、資料調査と同時期に行ったオランダでの研究報告の折に、海外の研究者から得られた情報が大いに参考になった。また、コロマンデル海岸の諸商館だけでなく、隣接するスリランカに置かれた商館が発送した積荷のなかにも、相当数の鮫皮が含まれていたことが分かってきた。しかし、スリランカ商館発の鮫皮については未だ不明な点も多く、スリランカとコロマンデル海岸の諸商館の関係も時期によって変化するため、今後イギリス東インド会社関係の資料から得られる情報も併せて、さらに分析する必要があると考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オランダ側の資料・文献の分析は進んでいるが、2019年度末に計画していたイギリスでの資料調査を新型コロナウィルス感染症流行の影響により中止したため。また同時期に予定していた研究報告を実施できなかったため。
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| 今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症流行の影響により、海外での調査や研究報告を当初計画通り実施することができるかどうかは不透明である。今後は、これまでに入手したオランダ語史料の分析を継続するとともに、状況の変化に応じ可能な手段を最大限利用して研究を進め、論文執筆に取り組む予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2019年度末に計画していた資料調査と研究報告のための海外出張を、新型コロナウィルス感染症の流行を受けて中止したことにより、次年度使用額が発生した。この次年度使用額については、海外での資料調査が可能になった際の経費に使用する計画だが、それまでの間に国内から手配できる資料があれば、その入手にも一部充てる可能性がある。
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