• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

ポスト黒死病時代エジプト・シリアにおける家族と女性:寄進文書を手がかりに

研究課題

研究課題/領域番号 18K01008
研究機関早稲田大学

研究代表者

五十嵐 大介  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20508907)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードマムルーク朝 / 家族史 / 寄進 / 文書史料 / イスラーム史 / エジプト / シリア / 奴隷
研究実績の概要

研究課題の総仕上げとして、14-16世紀のエジプト・シリアのワクフ(寄進)文書とワクフ調査台帳にあらわれる寄進者の家族成員についての情報の整理に入った。家族(血縁者、姻族、奴隷を含む)に関する受益者規定と管財人規定の基本的なパターンと、そこからあえて外れた、おそらく個人の家族の状況や家族観に基づいた例外的な事例を検討し、それらからマムルークたちの家族観の一端を明らかにすることを試みた。その成果の一部は、ボン大学から出版された論文集Mamluk Descendants: In Search for the awlad al-nasに、‘Who should benefit from my Waqf?’ Mamluks’ Views on Progeny, Lineage, and Family based on their Waqf Stipulationsというタイトルで論文として掲載された。
また、『岩波講座世界歴史09 ヨーロッパと西アジアの変容 11-15世紀』に、マムルークの家族に関する問題を取り上げた論考「西アジアの軍人奴隷政権」を寄稿した。
また、中世日本とマムルーク朝における奴隷・従属関係の比較をテーマにした国際シンポジウム“Strong Asymmetries in Social Relations Compared: The Mamluk Sultanate, Medieval Japan and Beyond”において、ワクフ文書に現れる奴隷・解放奴隷と主人との関係について発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

国際会議での発表、日本語・英語での論文執筆・掲載という目に見える形で研究成果の公表ができている。

今後の研究の推進方策

史料からマムルークの家族に関する情報の抽出・整理・分析を進め、本研究課題のまとめに相当する論文の発表を準備する。

次年度使用額が生じた理由

コロナの流行により予定した海外出張が行えず、次年度使用額が生じた。
最終年度の研究成果を英語で発表するための英文校閲費や資料の購入費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 14世紀末~16世紀初頭エジプトの地方行政と徴税請負の発展:ムタダッリクに注目して2023

    • 著者名/発表者名
      五十嵐大介
    • 雑誌名

      中央大学アジア史研究

      巻: 46 ページ: 63-82

  • [学会発表] Freed Slaves and Their Descendants in Mamluk Waqf Documents2022

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Igarashi
    • 学会等名
      International Symposium “Strong Asymmetries in Social Relations Compared: The Mamluk Sultanate, Medieval Japan and Beyond
    • 国際学会
  • [図書] ヨーロッパと西アジアの変容 11~15世紀2022

    • 著者名/発表者名
      荒川 正晴、大黒 俊二、小川 幸司、木畑 洋一、冨谷 至、中野 聡、永原 陽子、林 佳世子、弘末 雅士、安村 直己、吉澤 誠一郎
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      978-4-00-011419-6
  • [図書] Mamluk Descendants: In Search for the awlad al-nas2022

    • 著者名/発表者名
      Anna Kollatz ed.
    • 総ページ数
      612
    • 出版者
      Bonn University Press
    • ISBN
      978-3-8471-1458-1

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi