| 研究課題/領域番号 |
18K01014
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| 研究機関 | 関西大学 |
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研究代表者 |
藤井 信之 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (90724360)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 古代エジプト / 前1千年紀 / 軍事勢力 / 神官団 / 支配体制 / 第3中間期 / 後期王朝時代 / 西洋中心史観 |
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| 研究実績の概要 |
補助事業期間の後半は、国内・国外に所在する史料を収集して作成した前1千年紀エジプトの軍幹部称号所持者と神殿上位層の神官称号所持者の正確なプロソポグラフィを分析し研究成果としてまとめていく作業に充てる予定であった。しかし2020年度に続き、2021年度も新型コロナ禍の影響で国内・国外の博物館や研究機関において資料調査や資料収集を行うことができなかったため、確認したい史・資料がまだ残っている状況である。このためインターネットを通じて博物館や研究機関などから必要な情報を収集することに努めた。また既刊の報告書なども精査した。この様な作業から、数例ではあるが、これまでリスト・アップできていなかった軍事称号や神官称号に関するデータを得ることができた。
これまで収集・検討してきた史・資料の分析から、2021年度は前10世紀半ばに興ったリビア王朝（エジプト第22王朝）の成立過程に関する考察をまとめた。この研究では、エジプト軍に組み込まれたリビア人傭兵やその指揮官との関係を重視したこれまでの見解に再考を促した。この研究は2021年度に開催されたエジプト学に関するセミナーで発表した。またその内容をまとめた一論が2022年度中に刊行される予定である。
本研究課題は前1千年紀の西洋中心的な世界史像に再考を迫ることも目的としているが、この目的を果たす研究の一環として、アッシリアのエジプト侵攻時における在地エジプトの諸勢力（軍事勢力と神官団）の動向を再検討した。この研究は関西大学の東西学術研究所研究例会において報告した。この報告では、アッシリアがエジプトを支配したように説かれる今日のオリエント史には再考の余地があること、一般に流布している当該期の古代オリエント史には聖書史観の影響が認められるのではないかということを指摘した。本論も研究史と史料の整理検討をもう少し深めて論文として発表したいと考えている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ禍の影響で国内・国外の博物館や研究機関において資料調査や資料収集を行うことができなかったことによる。ただし先にも述べた通り、インターネットを通じて博物館や研究機関などから必要な情報を収集することに努めている。また既刊のカタログなどからのデータの収集・整理も進めている。また上述の通り、既に入手しえた史・資料の整理検討から研究成果の発表も行うことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
史・資料の収集・整理はある程度進んだが、今後もこれまで通り、インターネットなどのツールを利用してデータの充実に努めていく。またこれまでに収集することができた史・資料の整理・検討も進んでいるので、今後はその成果を口頭報告及び論文として順次発表していきたい。そしてコロナ禍の影響次第ではあるが、可能であれば海外所蔵の資料調査も行いたいと考えている。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、予定していた海外調査へ行くことが出来なかったため。来年度は、コロナ禍や国際情勢など次第ではあるが、可能であれば海外調査を行い、また資料のデジタルデータでの入手や、入手可能であれば資料の紙媒体での入手に充てる。
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