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2020 年度 実施状況報告書

古代北アフリカにおけるヘレニズム王権の生成と終焉

研究課題

研究課題/領域番号 18K01026
研究機関滋賀大学

研究代表者

大清水 裕  滋賀大学, 教育学部, 教授 (70631571)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード古代ローマ / ヌミディア / カルタゴ / マウレタニア
研究実績の概要

今年度は、研究計画では最終年度に当たっていたため、これまでの研究成果を論文としてまとめることに力を注いだ。まず、前年度に投稿した論文について、査読意見に基づき修正作業を進めた。この論文は、ヌミディア王マシニッサの名を記録したデロス島出土碑文に関するものであり、北アフリカを広い意味でのヘレニズム世界に位置づけている。本論文は、2021年度中に刊行されることが決定している。
また、ローマ共和政末期の内戦とヌミディア王ユバ1世のかかわりを論じた論文「共和政末期ローマの内戦とヌミディア王国:ユバ1世の挑戦と挫折」を『滋賀大学教育学部紀要』70号に投稿し、掲載された。この論文では、古代ローマのクリエンテラ国家の一つとして、ローマの従属的地位にあったことが自明視されてきた前1世紀のヌミディア王国を、その王ユバ1世の視点からとらえなおし、王が独自の利害を持って行動していたことを論じている。
さらに、ローマ帝政初期に活躍したマウレタニア王プトレマイオスのヘレニズム君主としての性格を論じた論文をまとめ、別の雑誌に投稿した。こちらについても査読所見を踏まえて修正を施し、2021年度中に刊行されることになっている。
このほか、北アフリカ出土の碑文史料について紹介したフランス語文献の翻訳も進めている。
以上の研究を通して、古代ローマの従属的地位にあったと考えられてきた北アフリカの諸王国が独自の利害を持って行動しており、広い意味でのヘレニズム世界に位置づけられることを示すことができたと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は研究計画の最終年度に当たっており、上記の通りいくつかの論文をまとめることはできたものの、新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、予定していた海外での現地調査を行うことができなかった。そのため、最終的な結論を出すのに躊躇われる部分があることは否定できず、「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

2021年度も新型コロナウィルス感染症の流行が収束する見通しは立っておらず、海外での現地調査も難しいものと考えている。そのため、今年度は、国内で可能な限り文献調査を進め、北アフリカにあった古代の諸王国とヘレニズム世界のかかわりについて、引き続き研究を深めたい。

次年度使用額が生じた理由

2020年度には、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行により、予定していた海外での現地調査を行うことができなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 「共和政末期ローマの内戦とヌミディア王国:ユバ1世の挑戦と挫折」2021

    • 著者名/発表者名
      大清水裕
    • 雑誌名

      『滋賀大学教育学部紀要』

      巻: 70 ページ: 71-85

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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