研究課題/領域番号 |
18K01027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金澤 周作 京都大学, 文学研究科, 教授 (70337757)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | イギリス近現代史 / 国際人道支援 / チャリティ / セーブ・ザ・チルドレン / 第一次世界大戦 / 第二次世界大戦 |
研究成果の概要 |
本研究がケーススタディとして取り上げたのは、イギリス人姉妹エグランタイン・ジェブとドロシー・バクストンによって、ロンドンで1919年に設立された、旧敵国の子どもたちを救うためのセーブ・ザ・チルドレン基金(SCF)と、彼女たちの主導で翌年ジュネーヴに置かれたトランスナショナルなアンブレラ組織、国際セーブ・ザ・チルドレン連盟(UISE)の活動である。人道支援におけるイギリスおよびヨーロッパの相対的失速とアメリカ合衆国の急激な台頭という文脈のなかに位置づける形で、本研究は両団体が直面した諸課題と、救済の与え手と受け手の双方にアプローチするさまざまな工夫を究明した。
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自由記述の分野 |
イギリス近現代史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子どもの救済という大義は現在、広く受け入れられているが、その内実を歴史的に検討すると、必ずしも相いれない二つの潮流が呉越同舟的に合流していることが分かった。一方では自国の人口的・経済的・軍事的な意味での将来を担う世代の育成というナショナリスティックでしばしば排他的、国同士で競合するような目的。そして、もう一方では、(SCFやUISEが目指したように)国・宗教・階級に関わりなく、敵見方の区別もなく、人類全体の将来世代の保護・育成をすべし、というトランスナショナルで包含的な目的。この視角は、国内外の子どもの多種多様な窮状を前に、国際社会、国、地方、民間がとるべき優先順位を考える助けとなるだろう。
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