研究課題/領域番号 |
18K01030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小山 啓子 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (60380698)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 近世フランス都市 / 都市エリート / 都市議事録 / 外国人同郷団 / リヨン / 文書行政 / 書記 / 16世紀 |
研究成果の概要 |
本研究は16世紀リヨンに流入した大規模な移住者と都市民の関係を中心に、主として都市参事会議事録と「フィレンツェ同郷団史料集」を用いて分析を行った。在留都市側の史料と同郷団側の史料をつきあわせて検証することで、両者の関係性を複眼的に考察した。 加えて、文書行政を担った書記に関する研究も行った。書記は議事録をはじめ文書作成にかかわる多様な実務を担っていたことが明らかになった。上昇志向の強い地方都市エリートは文書作成能力を「武器」に宮廷への足掛かりを得ることもあり、行政機構が発展しつつも人脈や親族関係に依存するかたちで統治が維持されていた、この時代の両義性を体現する存在でもあったのである。
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自由記述の分野 |
近世フランス史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フランスにおいて都市議事録の重要性はよく知られている。そこに記された内容は、政治史や社会史など多くの分野で豊かな研究成果を生み出してきた。しかし情報源としてあまりにも膨大なせいか、これまで各都市の議事録そのものを比較したり、議事録自体がもつ機能が取り上げられることはあまりなかったと言える。近年、都市の様々な問題を今に伝えるこの膨大な史料群の可能性に新たに注目されるようになり、諸都市間でこれらを比較する研究集会も開催されつつある。私は16世紀のリヨンを事例に、都市議事録に書かれた内容を他の主体が残した史料も参照しつつ検討することで、近世の議事録の特徴をより明確にすることを試みた。
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