研究課題/領域番号 |
18K01039
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
渡邊 伸 京都府立大学, 文学部, 教授 (70202413)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ドイツ史 / 宗教改革 / 平和維持 |
研究実績の概要 |
◯本研究の目的、皇帝マクシミリアン2世の教会改革問題から当時の帝国理念を解明するため、2018年度は、年次計画に基づいて『教皇特使報告集』、皇帝マクシミリアン2世関係の史料集、ウィーン駐在ヴェネツィア使節の報告書等の収集を行った。また、関係先行研究について1570 年までのマクシミリアン2 世の教会改革・教皇庁政策、主としてローマ王選出時、および聖職妻帯、二種陪餐問題に関する交渉を中心に検討を行った。 ○先行研究では、ハプスブルク史または伝記研究が中心のため、スペイン・ハプスブルク家・教皇庁との関係に焦点が当てられており、帝国問題に関する言及が少ないが、マクシミリアンの帝国内の教会改革・国制問題に関しては、当時、プロテスタント内部の対立が深刻化したことが大きく影響したと考えられる。 ○このため、次にマクシミリアンとプロテスタントの中心となったザクセン選定侯アウグスト・ブランデンブルク選定侯ヨアヒム2世との交渉を考察の手がかりとすることにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
○当初の年次計画について、予定通り実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
○2019年度は、当初の年次計画に基づき、とくにザクセン選定侯アウグストおよびブランデンブルク選定侯ヨアヒム2世との交渉の実態を明らかにするため、現地での史料調査・収集を中心として帝国情勢を分析する。とくにネーデルラントの宗教対立をめぐるスペイン・ハプスブルク家との関係について、皇帝と新旧両派の代表者(ザクセン・ブランデンブルク・バイエルンを予定)の通信を検討する。 ○具体的には、ブランデンブルク選定侯についてベルリン国立公文書館その他、ザクセン選定侯についてドレスデン州立公文書館、帝国関係についてオーストリア国立公文書館にて史料調査・収集を行い、またバイエルン公・ザクセン選定侯に関する史料集の検討を行う予定である。
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