研究課題/領域番号 |
18K01039
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
渡邊 伸 京都府立大学, 文学部, 教授 (70202413)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ドイツ史 / 宗教改革 / 平和維持 / 紛争解決 |
研究実績の概要 |
●本研究の目的である皇帝マクシミリアン2世の教会改革問題から当時の帝国理念を解明するため、2019年度はまず当初の年次計画に基づいて帝国議会や各集会での信仰問題と「公会議」の関連に関する皇帝・各領邦の主張内容を、帝国議会議事録や関係文書から検討した。 ●とくにマクシミリアン2世とプロテスタント諸侯、とくにザクセン、ファルツとの交渉に関する史料とその所在を入手した文献およびインターネット情報により調査した。 ●8月末~9月中旬にかけてベルリン・フンボルト大学図書館Bibliothek Humboldt-Universitaet zu Berlin、ベルリン・ドイツ歴史博物館Deutsches Historisches Museum Berlin、ザクセン州立ドレスデン公文書館Saechsische Hauptstaatsarchiv Dresden、オーストリア国立公文書館Haus-, Hof- und Staatsarchiv Wienにて、関係文献・史料の調査と電子データの収集を行った。 ●帝国議会を中心とした皇帝と新教派の代表者(ザクセン・ファルツ)の通信の検討から着手し、マクシミリアン2世の対プロテスタント政策や信仰政策について検討中である。とくにザクセン選定侯アウグストの信仰問題ヘの対応に注目すべきことを確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
○当初の年次計画について、ほぼ予定通り実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
●最終年度は、当初の計画にそって帝国議会や各集会での信仰問題と「公会議」の関連に関する皇帝・各領邦の主張内容を、帝国議会議事録や収集した関係文書・史料を検討することにより明らかにする。 ●以上の調査・検討により、帝国の信仰問題に関する討議において、マクシミリアン2 世の政策の変化と、公会議に付託された意義の変化を明らかにし、そこからアウクスブルク宗教平和の帝国議会議決としての位置づけ、および信仰問題の国内問題化とその進展、さらには帝国諸身分の権限・帝国意識の変容を考察する。 ●最終年度にあたり、ドイツ宗教改革による信仰対立によっても帝国平和が維持されえたのはなぜかという全体的な問題を考察し、その成果を研究報告にまとめる。
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