本研究では、20世紀前半におけるハワイの日系水産業の歴史的展開について、20世紀初頭から1920年代、日米関係が悪化する1930年代から開戦、そして開戦時から終戦、冷戦初期にかけての、それぞれの時期について、日系水産業者が出身地である日本、ホスト側であるハワイ準州政財界やアメリカ連邦政府、議会、大統領府と、どのような関係を築きながら事業の拡大を図ったのかという点の解明を目指した。そして1920年代以降、ハワイ準州政府と日系水産業が協調関係を築いていたこと、さらにハワイ準州と日系水産業者が日本人の排斥を推進する連邦政府や軍部と対立しつつ、一貫して産業の発展を目指していたことを明らかにした。
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