東アジア陶磁器貿易の実相について解明することを目的とする。日本ブロックでは、重要な消費地である江戸遺跡の出土集成を行い、器種、装飾、生産地、年代、出土地などのデータ化を行った上で日本国内の需要を解明した。東南アジアブロックでは、台湾南部の流通都市北港遺跡と原住民の拠点集落の淇武蘭遺跡出土資料について、同様の分析を加え、両者の違いを明らかにした。特に北港遺跡では悉皆的な分類と数量を調査を行い、提示した意義は大きい。 また、地域の違いを明らかにするために東南アジア地域の主体を占める福建広東産陶磁器について、生産および日本国内や流通ネットワークの状況から、多角的に明らかにできた。
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