本研究では、西日本地域における縄文時代の人口動態について、縄文時代の遺跡空間データベースの作成、居住形態と居住集団の規模の推定、縄文時代の遺跡存在予測モデルの構築の3点を検討し統合することで明らかにすることを目的とした。考古資料の動態に関して真の変動を検討するために、14C年代測定データを検討した。また空間バイアスを検討するために、遺跡存在予測モデルを作成して検討した。そして、当該時期における社会や居住形態の変化とその要因についてエージェントベースシミュレーションを用いて検討を行った。その結果、人口動態を検討するための様々な課題が明らかとなり、方法論についての見通しを得ることができた。
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