| 研究課題/領域番号 |
18K01065
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| 研究機関 | 岡山大学 |
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研究代表者 |
松本 直子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30314660)
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| 研究分担者 |
渡邉 正巳 島根大学, エスチュアリー研究センター, 客員研究員 (80626276)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 縄文時代 / 古環境復元 / 黒ボク土形成 / 花粉分析 / 植物珪酸体分析 / 人間による植生干渉 / 微粒炭分析 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、鳥取県西伯郡大山町の岩伏し遺跡において、遺跡周辺の体系的な土壌のサンプリングと自然科学分析を組み合わせた発掘調査を行うことにより、大山山麓における縄文時代の人間活動の実態と黒ボク土層形成の関係を明らかにすることである。
2020年度は、2018年度、2019年度に、打ち込み式サンプラーによって体系的に採取した土壌試料について、堆積状況の確認および分析用試料の分割を行った。同じ層準の資料を分割し、植物珪酸体分析、花粉分析、微粒炭分析を行った。植物珪酸体分析と花粉分析の結果は、黒ボク土層形成以前は冷涼で比較的積雪の多い気候、黒ボク土層形成期には比較的温暖で積雪の多い気候となったことを示している。また、黒ボク土層中には、日当たりの悪い林床では生育が困難なメダケ属やススキ属が多く、火入れなどの人為的な植生干渉によって草原的環境が維持されていたと考えられる。
さらに、３地点の試料を対象に放射性炭素年代測定を行って微粒炭フラックス分析を行い、黒ボク土形成と火による攪乱の関係について検討した。その結果、黒ボク土層のなかでも、層準や地点によって、火による攪乱の頻度が高いところと低いところがあることが明らかとなった。これがどのような人間活動ないし堆積プロセスによるものか、さらに検討する必要がある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に従って体系的に土壌サンプルを採取することができ、合わせて実施した発掘調査により遺跡の時期や遺構の性格についても情報を得ることができた。採取した試料の分析も予定通り実施することができ、古環境復元に関する有益なデータが得られている。また、研究の目的である黒ボク土形成と人為的な植生干渉の関係についても、微粒炭分析から新たなデータを得ることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
分析結果の精査を行い、必要な追加分析を実施したのち、研究成果を論文にまとめる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、資料の分割・分析が予定より遅れ、2020年度中に分析結果の精査と必要な追加分析、論文化に至らなかった。次年度に必要な追加分析を実施し、論文としてまとめる。
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