| 研究課題/領域番号 |
18K01069
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| 研究機関 | 兵庫県立大学 |
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研究代表者 |
中井 淳史 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (80411768)
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| 研究分担者 |
佐藤 亜聖 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 総括研究員 (40321947)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 日本考古学 / 中世土器・陶磁器 / 編年 / 流通拠点 / 寧波 |
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| 研究実績の概要 |
第二年度は、①中世土器・陶磁器編年根拠資料の再検討、②中国における流通拠点（寧波）資料の検討（調査）、③中世考古学方法論の理論的検討、の３点をおこなった。①については、研究代表者が主たる研究対象としている中世土師器について、編年研究のもっとも進んでいる京都を中心に、既往の研究が根拠とする基準資料をとりあげ、暦年代の比定がいかなる方法によっておこなわれているかを分析した。②については、昨年度に実施した中国側研究者との意見交換や打ち合わせをふまえ、寧波市考古文物局を訪問し、寧波城内出土資料の実見、撮影をおこなった。また、訪問時に寧波市が実施していた寧波城西門地区発掘調査現場の見学や出土資料の検討、また上林湖越窯博物館を訪問して所蔵の越州窯青磁を中心に資料の実見・撮影をおこなった。③については、既往の研究成果を渉猟し、考察に必要な論点の整理をすすめることができた。
①に関しては、その成果の一部を、研究代表者・共同研究者が代表幹事として現在編集中の中世土器・陶磁器に関する書籍に掲載する論考としてまとめることができた（2020-2021年に刊行予定）。②については、先方の準備が整わなかったために実見がかなわなかったものもあるうえ、今回検討し得た範囲においては、本研究が目標とする日中交流の検討や暦年代比定を考えるうえで必要な資料（日本製の土器・陶磁器）を発見することはできなかった。しかしながら、中国側研究者との交流をふまえて、継続的な調査やその必要性について見通しを得ることができたと同時に、現在の中国の調査研究事情についてもある程度の情報収集ができた点は一つの成果といえる。調査方針も見直しつつ、今後の継続的な調査で、資料の発見につなげたい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定していた調査研究については、2019年中に計画した分については消化することができ、相応の見通しや成果を得ることができた。中世土器・陶磁器編年の検討課題については、京都の土師器編年についての検討を通じて、暦年代比定の問題について整理することができ、その成果の一部を論考に活かすことができた。中国流通拠点遺跡の調査研究については、当初の予定通り、２回目の調査を実施できた。本研究の目的にかなう遺物の発見という点では問題をのこしたものの、当初の計画通り進捗できている点を考慮して、標記のごとく評価した。
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| 今後の研究の推進方策 |
中世土器・陶磁器編年の問題は、土師器以外の遺物との比較検討、また生産の問題に関連してケーススタディとして設定した高知県下中世土師器資料の検討が必要である。また、中国流通拠点遺跡の調査研究については、2019年度に先方の都合もあって検討がかなわなかった遺跡の調査を予定している。
しかしながら、2020年から深刻化した新型コロナウィルス肺炎の世界的流行によって、中国への調査、また国内各地の出土資料の調査について、現時点ではまったく見通しが立たなくなってしまった。中国での調査はその断念も検討の俎上にあがっている段階であるし、後者についても国内状況が好転しないかぎり、実施の見通しが立たない。率直にいって、現時点では研究の推進に重大な懸念が生じている。
積み残している方法論の検討については、これまでの蓄積をもとに今年度中に成果物としてとりまとめる方向で準備をすすめたいと考えており、その点では若干の見通しも抱いているが、上記の国内・国外調査に関しては中止、あるいは事業年度の延長申請を視野に入れつつ、代替的な方策を共同研究者とともに検討している状況である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2020年1-3月に予定していた国内調査が、現今の感染症流行のために実施することができず、またその調査とともに予定していた撮影機材の調達を延期せざるを得なかったため。
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