研究課題/領域番号 |
18K01070
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
森 達也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (70572402)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 古琉球 / 明朝 / 海上ルート / 沈没船 / 来間島沖海底遺跡 |
研究実績の概要 |
本年度もコロナの影響が残り、充分な調査・研究が実施できなったが、古琉球時代の琉球王国と中国を結ぶ海路を明らかとするために、宮古島に隣接する来間島沖海底遺跡の分布調査を7月22日から24日にかけて実施した。 本遺跡は、沖縄県立埋蔵文化財センターが平成19年(2007)に実施した沖縄県の沿岸地域遺跡分布調査の際に発見され、平成29年度に出版された『沖縄県の水中遺跡・沿岸遺跡-沿岸地域遺跡分布調査報告書-(沖縄県埋蔵文化財センタ―)』で遺跡の状況や引揚げ中国陶磁の概要が報告されている。令和4年度7月の調査では、沖縄県埋蔵文化財センターの分布調査の際には明らかにすることができなかった遺物の分布範囲を明確化し、沈船遺跡であるのかどうかの判断を行うことを目的とした。 今次調査では、海底での遺物の確認、撮影、分類と位置の記録を中心に行い、その結果、遺物の分布範囲をこれまでの調査よりも絞り込むことが可能となった。ただし、沈船であるかどうかの判断をするに至るまでの状況把握はできておらず、今後の課題とすることにしたが、現時点では沈船である可能性が高くなったと考えている。また、これまでこの地点で採集された中国陶磁は、16世紀代の所産と報告されていたが、これまで引揚げられた遺物を再調査し、併せて今回水中で確認した遺物を総合的に考えると、15世紀末まで遡る可能性が高いことが明らかとなった。 昨年度実施した久米島の東奥武島海底遺跡の状況把握と引揚げ遺物の調査によって、東奥武島海底遺跡は15世紀初頭に位置づけられることが明らかとなっている。また、令和2年度以前に遺物調査を実施した福建の東洛島沈船が14世紀後半から末、石垣島の名蔵シタダル遺跡が15世紀中葉頃であることを併せると14世紀後半から15世紀末にわたる沈船遺跡の状況と遺物の時代ごとの変遷が明らかとなりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度もコロナの影響が続き、感染拡大期を避けて水中調査を実施したが、全般的に充分な調査・研究が実施できなかったために、2度目の調査期間延長を行った。こうした理由によって「遅れている」の区分としている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には、令和4年度までに実施した調査の成果を総合的にまとめながら、不足した部分の調査・研究の補填を行う予定である。特に今次調査によって明らかになった久米島の重要性に鑑み、久米島での追加調査を実施するつもりである。 併せて、報告書の執筆、編集、出版を行い、令和6年3月には報告書の刊行を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響によって充分な調査・研究が実施できず、調査研究期間を延長した。追加調査、総合的研究、報告書の作成などが次年度に延びたため、次年度使用額が生じた。
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