【最終年度に実施した研究の成果】 2021(令和3)年度に引き続き、久津川古墳群(京都府城陽市)に所在する山道東古墳出土埴輪の調査研究を実施した。同古墳出土円筒埴輪の一部については、城陽市教育委員会によって既に実測図が作成され、同教育委員会刊行の発掘調査報告書に掲載されているが、それらについても実測図の統一性および精度の確保を図る必要性から、全て新規に実測図を作成している。今年度をもって、同古墳出土円筒埴輪全個体(98個体)の実測図作成作業を完了し、同古墳出土の形象埴輪片についても、観察・計測作業を全て完了することができた。また、京都府埋蔵文化財調査研究センターで発掘調査を行った芝山遺跡(京都府城陽市)出土円筒埴輪8個体(埴輪棺3基分)の胎土分析を行うとともに、隣接する梅の子塚1・2号墳出土埴輪および金比羅山古墳出土埴輪の胎土との比較検討を行った。
【研究期間全体を通じて実施した研究の成果】 研究期間(延長期間を含めて5年間)を通じて、久津川古墳群に所在する梶塚古墳出土円筒埴輪(125個体)・車塚古墳出土円筒埴輪(51個体)・山道東古墳出土円筒埴輪(98個体)の全てについて、実測図作成・全体撮影・細部撮影・観察・計測作業を完了した。円筒埴輪の実測図は、本科研費で雇用したアルバイトが作成したが、研究代表者が指導を行うとともに、実物埴輪と照合しながら全ての実測図の点検作業を行い、加筆訂正を行って完成させている。また、各古墳出土形象埴輪片についても、全体撮影・細部撮影・観察・計測作業を完了させている。当該研究期間より以前に、同じく久津川古墳群に所在する芭蕉塚古墳・青塚古墳出土埴輪(円筒埴輪・形象埴輪)の悉皆調査および実測図作成も完了しているので、今回の研究成果も含めると、久津川古墳群における主要古墳出土円筒埴輪全ての実測図作成および形象埴輪片の資料調査が完了したことになる。
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