研究課題/領域番号 |
18K01078
|
研究機関 | 公益財団法人東洋文庫 |
研究代表者 |
金沢 陽 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (90392886)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 三上次男 / フィールドノート / 東西文化交流 / 貿易陶磁 / 北東アジア |
研究実績の概要 |
18年度は、研究の第1段階として、まず三上次男博士フィールドノートの目録を作成したうえで、スキャニングおよび書き起こしによりデジタル化する作業に着手した。フィールドノートの実態把握および目録作成はほぼ達成できたと考える。内容のデジタル化は、文字データとしては30%程度の基本的書き起こしが達成できた。ところが、同フィールドノートでは、文字以外の遺跡・遺物・民俗資料等の実測図・スケッチが予想以上に重要な意義をもつことが認識された。そのためそれらのスキャニングが課題となり装置の設置を行ったが、整理方法が確立できず、一部試験的に着手したに止まった。 また、フィールドノート記載内容の確認の必要があり、中国江西省景徳鎮市、鹿児島県埋蔵文化財センターおよび鹿児島県歴史資料センター黎明館において、それぞれ窯業史関係の遺跡・遺物を中心として確認調査を行い、現地研究者の協力を得て初期の目的を達成したが、鹿児島県埋蔵文化財センターについては追加調査を予定している。 一方、今回の研究申請前にすでに基礎調査・目録化が終了していると考えられていた、青山学院大学史学科相模原校舎保管の三上博士収集資料が、一部未開梱・未整理の状態であることがわかり、急遽開梱と基礎調査実施の必要が生じた。さらに管理者側の事情で保管場所の移動の必要も生じたため、移動のための資料保全作業を兼ねて、急遽基礎調査・目録化作業を、19年に入って青山学院大学史学科の協力を得て計画・実施した。但し画像の採取が保管場所移動後の実施とせざるを得ず、19年度の課題となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の第1段階として必須である、三上次男博士フィールドノートのスキャニングおよび書き起こしによるデジタル化が、予想以上に膨大な作業量を要したために達成率が3割程度に止まったこと、および対象資料に把握されていなかったものの存在が発覚し、その基礎データ採取の課題が追加されたため、計画に対してやや遅延していると評価せざるを得ない。
|
今後の研究の推進方策 |
課題の性格上、フィールドノートのデジタル化の達成が先決なので、研究協力者、アルバイト作業者を組織して、作業効率を向上させたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
主として、作業進捗の若干の遅れにより、デジタル機器の一部および人件費を使用する段階に至らず、次年度の課題となったため、未使用分が生じた。次年度の前半中には、それらを支出する段階になる予定である。
|