近年取り入れられている博物館IPMによるカビ対策では、化学薬剤による一律の除菌・殺菌ではなく、カビの活性や状況に応じた、より博物館資料等への負荷が少ない対処方法を検討するが、現状では、カビ活性の評価は測定者の経験によるところが大きい。本研究では、博物館環境で検出された種々のカビについて、ATP拭き取り検査によるカビの活性を評価する単位面積当たりのATP発光量の目安を明らかにした。これによりカビの活性を客観的に判断することができるようになり、文化財や環境への負荷が少ない、より適切なカビの対処方法を選択することが可能となる。
|