衝撃成型レプリカ標本の実用性の評価として、銅板を素材として活用する際、展示に際して銅自体を酸化から保護する硫化処理すなわち「いぶし」加工をし、その利用可能性を検討した。 硫化処理の評価のため、彩度ならびに輝度を中心に比較した。硫化前の輝度・彩度の分布は安定しており、ラッカー処理やハンズオン、エタノール消毒による影響はほぼ見られないが、手指消毒によるハンズオンは輝度の上昇傾向がある。 10代の学生を対象にアンケート評価を行い、硫化処理による差は80%が「ある」と回答した。衝撃成形標本から形を感じ取れたという回答は80%にのぼったことからも、ハンズオン展示資料としての活用の可能性は高いと考える。
|