本研究の目的は自然史系博物館資料の3Dデジタル標本について現状を調査するとともに,パイロットケースとして収蔵資料の3Dデジタル標本データベースの作製を行うことである.調査では国内外の複数の自然史系博物館を訪問し,職員への対面での聞き取り調査を実施した.また電子メールでも各国の博物館等機関への調査を実施した.その結果いずれの機関でも必要性は強く認められているものの,3Dデジタル標本データをも視野に入れたポリシーについては現在検討中であり,そのコンセンサスは醸成されていない状況が明らかとなった.また3Dデジタル標本データベースでは現生クジラ類の鼓室胞・耳周骨データベースを作成し,公開を行った.
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