研究課題/領域番号 |
18K01118
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
青木 賢人 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30345649)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 白山 / 手取川 / DEM / UAV / 地形 / 地質 / 地生態学 |
研究実績の概要 |
2019年度は,以下の4つの研究を推進した.
①「Degital Elevation Modelを用いた山体の侵食と発達段階の関係に関する研究(山中玲との共同研究)」本研究では,国土地理院の10m-DEMの解析により,接峰面からの侵食量を空間スケールを変化させながら計量することによって,山地の侵食特性と山地の発達段階との関係を検証した.研究成果については,2019年度地球惑星科学連合大会において発表し,現在,国際誌への公表を念頭に取りまとめの作業を行っている. ②「UAVとSfM-MVSを用いた河床材料の移動観測~手取川扇状地域の事例~(小倉拓郎との共同研究)」本研究は継続的に進めてきている研究で,UAVで取得した扇状地河川の河床地形と河床材料の高時空間解像度のDEMを時系列的に解析することにより,礫レベルの移動を定量的に把握することに成功した.この一連の研究については,現在,共同研究を行っている小倉の学位論文としてとりまとめを行っている. ③「白山高山域における登山者の行動と登山道侵食(山本球との共同研究)」本研究では,白山山頂域の環境変動に対する人的影響を検討するため,UAV-SfM-MVSを用いた登山道の解析を行い,観察によって得た登山客の歩行・行動パターンを説明項として地生態学的な解釈を行った.研究のとりまとめは終了しており,学術誌への公表を検討している. ④「日本海側多雪山地における偽高山帯状景観の成立要因(亀谷英太との共同研究)」本研究では,富山県の金剛堂山の山頂小起伏面をフィールドに,亜高山帯の標高になりながら高木層を欠く植生帯の成立過程について,地形・地質・微気候の条件から地生態学的に検討を行った.その結果,多雪条件が関与した景観であると考察した.類似の景観は日本海側多雪山地に数例見られ,今回の検討は普遍性を有する.研究成果は学術誌の公表を検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個別の事象に関する研究は計画以上に進展している.学術論文としての公表準備も順調に進んでいる. 一方,とりまとめに向けたGIS上での整理は十分着手できておらず,最終年度の課題として残されている. 進んでいる部分と若干の停滞がある部分とがあるが,全体としては最終年度に向けて順調に進んでいると解釈している.
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今後の研究の推進方策 |
個別研究の学術論文としての公表を進めることが,年度最初の作業になる. 並行して.GISを用いたとりまとめを進めていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
国際誌への投稿のための翻訳,英文校正を念頭に置いて予算を確保しておいたものが,原稿作成の遅れで執行できない部分があった.2020年度早々に国際誌への投稿に向けた作業を進めたい.
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