研究課題/領域番号 |
18K01118
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
青木 賢人 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30345649)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 白山 / 手取川 / 地理情報システム / DEM / 侵食 / 接峰面 |
研究実績の概要 |
本研究は,手取川流域をフィールドとし,長期的な地形変化および土砂流出,それに伴う植生変化や自然災害の発生,および,それに対する人間側の対応を,地域内に存在する一連の系として把握することを目的としている.これまで,土砂運搬や植生変化,および自然災害への対応に関する成果を公表してきている.残る部分として,地理情報システム(GIS:Geographical Information System)を用いた長期的な地形変化に関する分析結果がある.
この分析では,国土地理院が公開している5m-DEM(Digital Elevation Model)をデータソースとして用い,地理情報システムを利用して窓サイズを変更しながら接峰面図を複数回作成し,実地形との体積差分を得ることによって空間スケールに伴う侵食量の変化傾向を明らかにすることで,流域単位の侵食様式(側方侵食卓越型・下方侵食卓越型)の把握を行うとともに,流域単位の侵食ステージを把握することで,今後の侵食のポテンシャル評価(=災害発生予測につながる)を行うスキームを確立した.
本件に関してはすでに日本地球惑星科学連合大会においてポスター発表を行っているが(山中・青木,2019),これを学術論文として公表することが残っている.成果出版の為に科研費補助金の繰り越しを実施していたが,コロナ禍による現地調査の不足によって成果のとりまとめに至らなかった.そのため,当該年度は予算の執行を行わず,次年度に繰り越し,改めて,成果の公表に取り組む.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響があり,モデル上で確立したスキームについて現地観察を実施することが難しく,研究のとりまとめに影響が出ている.現地観察部分以外については,原稿として書き上げていることから,次年度に適切な観察・確認を行った上で,速やかに投稿につなげる.
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今後の研究の推進方策 |
本研究に関しては,とりまとめの段階に入っており,最終段階の論文を公表することが残されている.次年度中には国際誌への投稿を行い(予算は英文校閲に利用する予定),研究の完成に向けて作業を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により,現地調査の実施に制約が生じたため,旅費および研究のとりまとめを行うための英文校閲の費用を執行できかなった.2022年度には現地調査の実施と研究成果の英文による出版を計画しており,これにより予算を執行する予定である.
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