本研究は,約30 mメッシュのDEMを用いて,北緯60°~南緯60°のすべての陸地にある山頂を抽出して,山頂から半径1 km円内の起伏と平均傾斜を計測した.その結果,起伏が1,500 m以上で平均傾斜が45°以上と,きわめて険しい山頂のほとんどは,ヒマラヤ山脈に分布しており,起伏が500 m以上で平均傾斜が35°以上の山頂は,変動帯の諸山地に分布することがあきらかになった.また,起伏が500 m以上で平均傾斜が35°未満の山頂は,上記の地域に加えて,大陸縁に分布すること,そして,起伏が500 m未満で平均傾斜が35°以上の山頂は,東アジア南部の塔状カルストに限られること,があきらかになった.
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