本研究は東北を中心に『諸国産物帳』や各地の産物データを収集し、そこに記された各種産物の産地の特定をとおして、18~19世紀の動植物の分布域を復元し、動植物の分布相の変化とその要因にアプローチする。 研究遂行の実現性を高めるために、本研究ではとくに18~19世紀の日本の食用資源の栽培(生息・自生)環境とその分布域へ着目する。ここで利用する産物データは、様々な植物が網羅されている。それらの中にはアズキやアワ、キビ、ソバのように焼畑特有の作物がみられる。これらの産地では当時、焼畑が行われていた可能性が高く、江戸時代の山間地の土地利用を部分的に遡及しうる。
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