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2021 年度 実施状況報告書

付加価値創造政策下におけるタイ自動車産業のダイナミズムに関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01134
研究機関金沢大学

研究代表者

宇根 義己  金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40585056)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード東南アジア / タイ / 自動車産業集積 / 企業の集積と分散 / 生産システム / 労働市場
研究実績の概要

2021年度は,前年度までに実施した調査をもとにした成果の一部を発表するとともに,入手可能な情報の整理および更新を実施した。
具体的には,現代アジアの最新の情報をもとにして編まれた『現代アジアをつかむー社会・経済・政治・文化 35のイシュー』(佐藤史郎・石坂晋哉編著)において「都市化」を分担執筆した。タイはバンコクへのヒト・モノ・カネの一極集中が進展する典型的なプライメイトシティ型国家であることが知られている。同書において,そういった状況を地域間格差の最新状況と併せて提示しつつも,東部経済回廊(東部臨海地域)の開発や東北タイのナコーンラチャシーマー県ナコーンラチャシーマー市における都市化と工業開発等について触れ,地方の都市化が工場進出,工業化とともにみられていることを示した。これは,従来のタイ都市論では見落とされてきた地方都市の新たな実態として注目されうるものである。この点を,同国における自動車産業の空間的ダイナミズムから捉えるならば,「企業の分散」について触れたものに位置付けられる。なお,これらの内容は,本研究において2019年度に実施した現地調査で得られた内容を踏まえたものであり,その成果をタイのみならずアジア全体の最新動向をまとめた著作に収録できた意義は大きいと考えられる。
上記のほかに,これまでに実施した聞き取り調査から得られた内容をもとにした論考の執筆に取り組んだ。また,これまでに入手した自動車企業・同部品企業のデータベース作成および分析を継続的に取り組んだ。
当初予定していた現地調査は,新型コロナウイルス感染症の影響により昨年度も実施することができなかった。オンライン等を活用した調査についても引き続き試みたが,実現困難な状況により実施を断念した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初予定していた海外現地調査が,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により実施できなかったことが最も重大な理由である。ただし,これまでに実施した調査をもとにした分析や成果発表はある程度推進できた。とはいえ,全体的にみると遅れていると判断せざるを得ない。

今後の研究の推進方策

一昨年度に比べて,現地調査の実施可能性は高まってきており,現地調査の実施を目指す。しかし,本研究のような企業訪問型の調査は現地調査企業の協力等が必要不可欠であるなど,さまざまな事情により調査が遂行できない場合も考えられる。そうしたことを考慮して,現時点で実施できることとして最大限の取り組みを実施する。また,これまでの調査で入手した企業年鑑や書籍類も新たなものを入手する必要もあり,そうした資料の収集や,コロナ禍における当該産業および企業の実態把握といった検討も視野に入れたい。また,現在分析・執筆している原稿を完成させたい。

次年度使用額が生じた理由

計画していた海外現地調査が,新型コロナウイルス感染症の影響により実施できなかったため。
2022年度以降に当該調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 現代アジアをつかむ(担当章の題目:都市化ーアジア都市の発展メカニズムと都市問題)2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤史郎・石坂晋哉編著
    • 総ページ数
      500(239-251)
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750353210

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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