研究課題/領域番号 |
18K01134
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宇根 義己 金沢大学, 人文学系, 准教授 (40585056)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 自動車産業 / 産業集積 / 分散立地 / 生産システム / ジャスト・イン・タイム生産方式 / タイ / 日系企業 |
研究成果の概要 |
バンコク大都市圏とその周辺に集中するタイの自動車産業集積において、集積地域から離れた地方圏に立地する日系自動車部品企業の立地メカニズムと生産システムを以下のように明らかにした。1)タイ北部・東北部・東部では,比較的輸送コストが安価で嵩張らず,小型部品を多数製造する2次以下の自動車部品企業が卓越している。2)とりわけ遠隔地にあたる北タイの企業では,納品先に近いバンコク大都市圏に製品倉庫を設け,ジャストインタイム生産方式における調整弁としての役割を持たせている。3)地方圏に立地する際の主な要因となる安価な生産現場労働力は比較的豊富であるが,スタッフクラスやエンジニアクラスは不足し,問題化している。
|
自由記述の分野 |
経済地理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自動車産業は,自動車組立工場へ納入する部品企業が物流や研究開発の円滑化を目的に自動車組立工場に近接立地することで集積地域を形成してきた。一方,低廉な労働費の追求や集積の外需不経済の回避などにより,企業は遠隔地や地方圏に工場を分散させる動きもみられる。しかし,日系企業が卓越するタイ自動車産業において,企業分散のメカニズムは既往研究において十分解明されておらず,本研究はこのことを明らかにした。日本企業のグローバル化が深化するなか,海外における企業立地のメカニズム,新興自動車産業生産国における産業立地の変容と地域経済への影響を考察する際の基礎的な状況を企業事例をもとに明らかにした。
|