研究課題/領域番号 |
18K01139
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
根田 克彦 奈良教育大学, 社会科教育講座, 教授 (50192258)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大型店 / ロンドン / タウンセンター / 都市計画 |
研究実績の概要 |
本年は,2019年9月9日~18日にロンドン市とダドリィ市の調査と,2020年2月29日~3月6日までロンドン市の調査を行った. ロンドン大都市圏におけるtown centreの階層構造の変化を,2009年と2012年とで比較した.次に,Newhamロンドン特別区におけるDistrict Centreである,Brick Lane Town Centreの歴史と,センターの活性化政策と事業,および土地利用を調査した.Brick Laneは,ロンドン市の都心に近いインナーシティにあり,古くから移民が卓越する衰退エリアであったが,1960年代以降バングラディシュ人が流入した.それにより,イスラム教徒に財とサービスを提供するエスニック商店街として発展した.さらに,都心に近いことから,若手芸術家が流入し,芸術の町としても発展した.Newham ロンドン特別区は,現在,エスニックタウンの特徴を活用した観光地の整備と,芸術家とハイテク産業従事者によるクリエイティブコミュニティとしての特徴を持つ観光地として整備する,二つの方向から商店街の活性化を図っている.その成果は,2019年人文地理学会大会で発表した. 次に,ダドリィ市は1980年代にMerry Hill Regional Shopping Centreの開業により,その中心市街地が打撃を受けた都市として知られる.その土地利用調査を行った.その結果は,現在まとめている最中である. 一方,日本の大型店政策に関しては,奈良県と奈良市を調査し,その成果を,根田克彦(2019):マスタープランにおける商業立地政策と大型店開発のための都市計画決定.E-Journal GEO,14: 345-363と,根田克彦(2019):奈良市における中心市街地活性化と大型店の立地規制.奈良教育大学紀要(人文・社会科学),68(1),87-98として発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イギリスの調査に関しては,ほぼ予定通り進んでいる.しかし,国内の調査に関しては,2020年2月から3月に行う予定であったが,コロナ騒動により,自粛せざるえなくなった.また,3月末の日本地理学会春季大会がコロナ騒動により中止され,成果を発表できなくなった. なお,イギリス渡航を決めたのは,2020年1月であり,その時点では,日本よりイギリスの方が安全であったので,そちらを優先した.
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今後の研究の推進方策 |
本年は,9月にイギリスのロンドン,Brick Lane Town Centreの調査と,ノッティンガム市の中心市街地と4地区のDistrict Centresの調査を行う予定である.しかし,コロナ騒動により渡航できない場合は,2・3月に行う予定である. 日本に関しては,2021年の2・3月に,立地適正化計画を実施している都市を選定し,調査する予定である.対象地域は,これから決める予定である.ただし,イギリスの調査が9月にできない場合,調査は中止もしくは延期となる可能性がある. これまでの調査結果は,2020年10月ころの地理空間学会,11月人文地理学会および,2021年3月の日本地理学会春季大会で発表する予定である. なお,2019年のノッティンガム市の調査結果に関しては,日本地理学会かいずれかの学会の大会で発表し,ペーパーとする予定である.
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