| 研究課題/領域番号 |
18K01151
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| 研究機関 | 國學院大學 |
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研究代表者 |
田原 裕子 國學院大學, 経済学部, 教授 (40282511)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 渋谷再開発 / クリエイティブワーカー / コミュニケーションの空間 / 職住近接 / 都市再生政策 |
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| 研究実績の概要 |
今年度は、①クリエイティブワーカーを対象としたアンケート調査の設計と、②渋谷再開発の経緯や再開発のビジョンに関する調査を実施した。
①アンケート調査の設計については、まず、調査票を設計する際の参考とするため、渋谷に拠点を持つクリエイティブワーカーに聞き取り調査を実施し、仕事の具体的な内容、仕事の受注や発注のやり方、ビジネス拠点としての渋谷の評価、居住地選択の基準などについて詳細に聞き取った。聞き取り調査の結果、仕事の受・発注の相手先の所在地や相手先とのリアルなコミュニケーションが生じる空間は、渋谷近辺だけでなく、グローバルに展開していることが明らかになった。そこで、コミュニケーションが生じるリアルな場所についての情報を正確に収集、集計、地図化するための方法を検討した結果、GISソフトを活用することとし、当該ソフトの活用を前提として調査票の設計を行った。その後、アンケートの実施に向けてインフォーマントの選定・依頼を始めようとした矢先に、新型コロナウイルスの問題が生じたため、アンケート調査の実施については中断を余儀なくされた。
②渋谷再開発の経緯や再開発のビジョンについて、これまで分析できていなかった点（そもそも不可能ともいわれた渋谷再開発を決断した経緯や、再開発全体のビジョン、あるいはそうしたビジョンがいかに形成されたのか）について研究を進めた。これらは、渋谷再開発において、なぜ住宅やコワーキングスペースといった空間の整備やクリエイティブ産業が重視されたのかについてを理解するために必要である。この点については、再開発のイニシアティブを握っている企業の関係者に聞き取り調査を実施し、アウトラインをつかんだ。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れている要因は、クリエイティブワーカーに対するアンケート調査を実施できていないためである。これは、クリエイティブワーカーの業務の内容や働き方、所属が想定していた以上に多様であり、さまざまなタイプのクリエイティブワーカーに適用できるアンケート票の設計に手間取ったことと、本年２月以降の新型コロナウイルスの影響で調査協力依頼が進んでいないためである。
一方、渋谷再開発の背景や経緯についての研究は順調に進んでいるため、（3）やや遅れていると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響により、クリエイティブワーカーのface to faceのコミュニケーションの空間に注目したアンケート調査の実施が困難になった。そのため、アンケート調査はいったん中断して、当面は渋谷再開発の背景や経緯についての研究に注力する予定である。
渋谷再開発の背景や経緯については、比較的最近の資料に基づき、2010年代以降の動きについては検討済みであるが、今年度は1990年代までさかのぼり、そもそも不可能と考えられてきた渋谷再開発が決断された経緯や再開発を可能にした法制度、あるいは、再開発のビジョンが決定された経緯など、より根源的な部分について解明を試みる。
３月から４月にかけて、再開発を決定した当時の関係者に聞き取り調査を実施した結果、アウトラインがつかめてきたので、今後は文献等を用いて裏づけをとる作業を進める。
現状では、渋谷再開発を、1）渋谷の課題、2）国の都市再生政策との関係、3）「世界都市」（＝都市階層における上位）を目指すグローバルな競争、の3つの異なる次元から説明することを目標として研究を推進する予定である。
アンケート調査については、今後のコロナウイルスの状況を見ながら、実施・中止、あるいは内容の変更を検討したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響でアンケート調査を実施できなかったため、調査補助や資料化実務のための予算が支出されなかった。また、専門的知識の提供について、謝金の受け取りを辞退されるケースも多かったため、計上した予算が支出されなかった。
令和2年度の使用計画については、新型コロナウイルスの動向に左右されるが、アンケート調査を実施（内容の変更を含む）する方向で進めたい。
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