本研究の成果は2つある。第一に文献調査や関係者への聞き取り調査を通じて、「100年に一度」と称される渋谷再開発がなぜ可能になったのか、背景、経緯や目標を整理した。官・産・地元が協力し、グローバルな都市間競争の激化と国内の都市再生政策を追い風に、国の政策を巧みに活用しながら地域の課題解決を実現したプロセスを明らかにした。 第二に再開発によって創出された公共空間を活用した新しいお祭りを事例として地域コミュニティの変化を調査した。当初は自治体と再開発事業者が中心だったが、次第に地元のまちづくり団体に実質的なイニシアチブが移るとともに、アクターが多様化するなど、地域コミュニティの変容が明らかになった。
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