研究課題/領域番号 |
18K01156
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
渋谷 鎮明 中部大学, 国際関係学部, 教授 (60252748)
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研究分担者 |
浦山 隆一 富山国際大学, 現代社会学部, 客員教授 (10460338)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 風水地理思想 / 伝統的地理思想 / 吉地 / 東アジア / 沖縄 / 台湾 / 脈 |
研究実績の概要 |
本年度は、風水地理思想をはじめとした東アジアの伝統的地理思想において、いかなる場所が「吉地」とされるのかについて、前年度に行った沖縄における「吉地」についての検討も継続しつつ、台湾における「吉地」の検討を行う予定であった。 しかしながらこの予定は、コロナ禍が終息が見られなかったため、現地での調査や文献収集など、十分な研究活動が行えず、実現しなかった。特に研究目的での台湾への渡航は現在も簡単ではないように思われる。 そのような中でも、一部対面の研究会を5月に名古屋にて実施し、研究分担者・協力者と研究上の協議を行った。これ以外にもメール連絡による協議も実施した。これらを通じ、朝鮮半島と沖縄で受容された風水地理思想と「吉地」の様相について整理し、同時に台湾の風水地理思想に関する情報と研究視角についても検討した。 代表者の澁谷は、分担者の浦山や韓国の研究協力者である崔元碩氏(慶尚大学校慶南文化研究所)の協力のもと、朝鮮半島における「吉地」の条件に欠かすことのできない「脈」の感覚について。現代韓国における評価までをまとめた「韓国における「白頭大幹」の評価と「脈」の論理」を発表した。 同様にして崔元碩氏の協力のもと、本研究の基礎となる風水地理思想の地域比較のために、氏が朝鮮の風水論の展開について述べた韓国語論文「韓国風水論はいかに展開したか」を代表者の澁谷が日本語に翻訳し、発表の予定である。 また次年度行うこととした台湾の風水地理思想の様相と既往の研究について、できる範囲内で検索・収集し、リストアップを行っている。現在までの印象では、いわゆる「漢族文化圏」にあるにもかかわらず、本研究のような「吉地」評価に関するものは少ないように思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の終息が見られなかったため、台湾における現地調査や現地での資料収集が行えず、また沖縄についても出張を控えたため、十分に調査研究が進んでいない。次年度に集中的に実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染拡大の状況にもよるが、昨年度十分に行なえなかった沖縄文献の読み込みを行いつつ、現地調査のタイミングをはかり、研究を進展させる。またこれまであまり研究が 行われてこなかった台湾における風水地理思想と「吉地」概念について文献研究と現地調査を実施する。 沖縄に関しては、補足調査が行えずに論文投稿が遅れているため、なるべく早期に沖縄北部の写真資料と地図資料の収集に赴き分析を進める。 また台湾についても、もし可能であれば現地に渡航し、吉地の条件に関する現地調査を実施することとし、また渡航が困難である場合を想定し、日本の専門書店を利用し、台湾の風水地理思想関連図書を購入し、分析を通じて「吉地」イメージを探りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
概要欄等にも述べたように、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初より計画していた沖縄と台湾における現地調査と現地での資料収集がまた悪実施できていなかったために、未使用額が生じた。 次年度には、状況を見つつ可能であるならば、研究分担者等と沖縄(11月頃)と台湾(2月)に渡航し調査研究を進める予定であり、未使用額の大部分を渡航費用や現地調査費用に使用する。 またもし渡航が不可能な場合には、日本で求められる台湾の風水地理思想関連書籍をできうるかぎり購入の予定であり、未使用額の多くをこれに使用する予定である。
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