総人口が減少する日本でも,高齢者人口は当面の増加が見込まれている。2006年度から制度化された地域包括支援センターは,全国の市町村で設置が義務化されているが,大規模な人口を持つ都市を除けば,当初は市町村の直営による1箇所のみの設置が一般的であった。本研究は,主に小~中規模の都市を対象として,社会福祉法人などの事業者に委託することによって地域包括支援センターを増設する動きが相次いでいる過程を関係機関への詳細な調査を通じて明らかにした点に学術的な意義がある。また,本研究で対象とした規模の都市において地域包括支援センターを今後増設していく際に参照しうるモデルを示した点で社会的意義をもつと考えられる。
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