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2022 年度 実施状況報告書

ヒマラヤ地域の祭礼に関わる家畜交易:異宗教間関係と地域間関係

研究課題

研究課題/領域番号 18K01160
研究機関阪南大学

研究代表者

渡辺 和之  阪南大学, 国際観光学部, 准教授 (40469185)

研究分担者 橘 健一  立命館大学, 政策科学部, 非常勤講師 (30401425)
杉江 あい  名古屋大学, 高等研究院(環境学), 特任助教 (10786023)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード交易 / 祭礼 / ヒンドゥー教 / イスラーム教 / 牛 / 山羊
研究実績の概要

本研究は南アジアの祭礼に伴う家畜交易について明らかにすることが目的である。方法としては、ネパールからインドを通じてバングラデシュに至る家畜交易の流通事情を現地調査してきた。すでにコロナ禍前の2019年度までにインドとバングラデシュの国境、バングラデシュの国境からダッカの家畜市場までの調査をおこなっている。残る課題は、①ネパール・インド国境と②ネパール国内における家畜の流通、そして③バングラデシュ国内の家畜の流通事情について調査をすることであった。
このため、2022年度は、①は渡辺、②は杉江、③は橘が分担した。③については、研究分担者の杉江がバングラデシュのカンチャンプールで、研究分担者の橘がネパールのカトマンズの家畜市場で調査をおこなうことができた。杉江はコロナ禍の間、タンガイル県の農民が祭礼のために肥育する家畜の増減を聞き取りした。②については、橘がカトマンズの家畜市場でネパール国内から集まる家畜の種類や産地について聞き取りをおこなった。③については、研究代表者の渡辺がネパールのイラムでインドのダージリンに輸出する家畜の調査を8月にするはずだったが、オミクロン株の流行で阪南大学から渡航許可が下りなかった。このため、本課題は延長申請をおこなうことになった。
この他の成果として、研究代表者の渡辺が2021年度におこなったヒマラヤにおける野生動物・家畜・人に関するシンポジウムの成果を論集にまとめ、生き物文化誌学会の『ビオストーリー』誌で特集記事として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍で海外調査ができなかった。研究分担者の橘と杉江は2022年度に調査を再開することができたが、研究代表者の渡辺は再開できなかった。2023年度にネパールとインドの間の国境越の交易に関する調査が実施できれば、ネパールとバングラデシュ間の家畜交易の状況がわかり、当初計画していた研究課題を達成することができる。

今後の研究の推進方策

最終年度の2023年度はネパール・インド国境付近で研究代表者の渡辺が調査すると同時に、各自成果の取りまとめに必要な補充調査を杉江はバングラデシュで、橘はネパールで必要に応じて行う予定である。渡辺はイスラームの犠牲祭のためにバングラデシュに輸出されるための牛がネパールのイラム郡からダージリンにどう供給されるか調べると同時に、ヒンドゥーのダサインやドゥルガプジャのためにバングラデシュ産の山羊がネパールにまで供給されるのかどうかもあわせて調べる。以上の成果を取りまとめ、日本地理学会、生き物文化誌学会などで発表し、論文にまとめてゆく予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者の渡辺がネパールのイラムでインドのダージリンに輸出する家畜の調査を夏休みにするはずだったが、オミクロン株の流行で阪南大学から渡航許可が下りなかった。このため、本課題は延長申請をおこなうことにした。2023年度はネパール・インド国境での調査を渡辺がおこなうとともに、研究分担者の橘や杉江も、必要に応じてネパールとバングラデシュで補充調査をおこなう。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 多様な宗教の共生と衝突 多様な宗教の共生と衝突はどのように捉えられるだろうか2023

    • 著者名/発表者名
      杉江あい
    • 雑誌名

      横山 智・湖中真哉・由井義通・綾部真雄・森本 泉・三尾裕子編『フィールドから地球を学ぶ-地理授業のための60のエピソード』(古今書院)

      巻: 1 ページ: 40-41

  • [雑誌論文] 序論:特集・ヒマラヤにおける野生動物と人2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺和之
    • 雑誌名

      ビオストーリー

      巻: 37 ページ: 32-37

  • [雑誌論文] 総括:特集・ヒマラヤにおける野生動物と人2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺和之
    • 雑誌名

      ビオストーリー

      巻: 37 ページ: 69-73

  • [雑誌論文] ヤムイモとヒマラヤ-ネパール先住民チェパンのイモ中心の生業複合と存在論:特集・イモが与えてくれるもの」2022

    • 著者名/発表者名
      橘健一
    • 雑誌名

      ビオストーリー

      巻: 38 ページ: 65-75

  • [雑誌論文] 焼畑の歴史をよみなおす:五木村から考える山茶と豆2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺和之
    • 雑誌名

      ビオストーリー

      巻: 38 ページ: 26-28

  • [雑誌論文] Do ‘Islamic norms’ impede inclusive development of women?: A case study of Islamic education for women in rural Bangladesh.2022

    • 著者名/発表者名
      Sugie, A.
    • 雑誌名

      Awaya, T. and Tomozawa, K. eds. Inclusive Development in South Asia. Routledge.

      巻: 1 ページ: 250-272

  • [雑誌論文] 2021年学界展望 地誌・地域研究2022

    • 著者名/発表者名
      杉江あい
    • 雑誌名

      人文地理

      巻: 74(3) ページ: 227-234

    • 査読あり
  • [図書] カースト再考―バングラデシュのヒンドゥーとムスリム2023

    • 著者名/発表者名
      杉江あい
    • 総ページ数
      426
    • 出版者
      名古屋大学出版会
    • ISBN
      978-4815811129

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公開日: 2023-12-25  

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