研究課題/領域番号 |
18K01160
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
渡辺 和之 阪南大学, 国際観光学部, 准教授 (40469185)
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研究分担者 |
橘 健一 立命館大学, 政策科学部, 非常勤講師 (30401425)
杉江 あい 名古屋大学, 高等研究院(環境学), 特任助教 (10786023)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 家畜 / 祭礼 / 交易 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、祭礼での供犠のためにネパールからインドを経てバングラデシュに流通する家畜の交易に関わる流通過程を明らかにすることである。特にヒンドゥー教徒にとって聖なる存在である牛が、ネパールやインドからバングラデシュに輸出されることで、イスラームの犠牲祭で供犠に使われる牛にどう変わってゆくのかに注目する。最終年度の2023年度は、コロナ禍の間に調査できなかったインド・西ベンガル州と極東ネパールの間の家畜交易の家畜交易について現地調査をすること、あわせてコロナ禍以降の家畜交易の変動を調べることであった。まず、研究分担者の橘がネパールのカトマンズの家畜市場でチベットからどのようにチャングラ山羊がやってくるのか、聞き取りをおこなった。コロナ禍以降もチャングラ山羊はネパールに輸入されているが、量はやや少なくなっていることがわかった。また、研究分担者の杉江は、バングラデシュのタンガイル県で調査をおこなった。コロナ禍以前から農民が肥育していた家畜頭数の変化を確認し、どの位家畜が増え、うちどの位の家畜をイスラームの犠牲祭の前に家畜市で売っていたのかがわかるようになった。しかし、研究代表者の渡辺はコロナ禍で再開した別の科研の調査でネパールまで渡航したが、本務校での仕事の都合で本科研の調査の日程を取ることが出来ず、極東ネパールまで行って調査することができなかった。幸い、コロナ禍による再々延長が可能となり、2024年度に調査をすることにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終年度の調査がコロナ禍で中断したため。研究分担者の2人はコロナ禍後に調査を再開し、終了したが、研究代表者の調査が再開できていない。研究代表者が担当するネパールからバングラデシュに至る家畜交易のうち、残っているのはネパール国内からインドに抜けるルートの部分だけである。この過程がわかることでヒマラヤの家畜回廊の全体像が見えてくることになる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、昨年度に現地調査を実施できなかった研究代表者の渡辺の課題のみ調査をおこなう。具体的には、インド・西ベンガル州と極東ネパールの間の家畜交易に関する調査をおこなう。すでにインド側ではコロナ禍以前におこなった2020年2月の調査でネパール側から牛が来ていることは確認済みである。このため、2024年度にはネパール側からどのように家畜を送り出しているのか調査をおこなう。以上の調査をもとにこれまでの成果を日本地理学会で発表し、論文にしてゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の渡辺はコロナ禍で再開した別の科研の調査でネパールまで渡航したが、本務校での仕事の都合で本科研の調査の日程を取ることが出来ず、極東ネパールまで行って調査することができなかった。幸い、コロナ禍による再々延長が可能となり、2024年度に調査をすることにした。
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