研究課題/領域番号 |
18K01172
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
中田 友子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (50508398)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ゴム・プランテーション / 開発 / 生業 / コミュニティ / 保護林 / アイデンティティ |
研究実績の概要 |
2019年度は、予定通り、2回現地調査を実施した。9月と2月にそれぞれ10日程度のフィールドワークを行った。9月の調査では、いつも行っている世帯調査と住民へのインタビューに加え、ゴム会社の幹部にもインタビューでき、ゴム・プランテーションの過去の経緯と現状の問題、また給与の計算方法や労働条件などに関して重要な情報を得ることができた。この時期は、ゴム・プランテーションでラテックス(ゴム樹液)の収穫量が大幅に減少したため、報酬が大きく下がり、タッピングを辞めてしまった労働者が少なからず見られた。その原因は複数あるようで、雨が多く、洪水が起こったことに加え、ゴムノキそのものが老化や病気になったことも挙げられるようである。いずれにせよ、住民の生計にとって、大きな影響が及んでいることがわかった。 2月の調査では、やはり世帯調査を行うとともに、特に地域住民の一部が、ゴム・プランテーション開発の開始後に開墾するようになった保護林へ向かうために渡る必要のある小川に、数年前に吊り橋を架けたため、これについて集中的に聞き取りを行い、実際に現場へ行って写真などデータを収集した。これによると、吊り橋は1か所ではなく、4~5か所あり、多くの周辺住民たちがそれぞれ自分たちにとって都合の良い場所に吊り橋を自主的に作っていることがわかった。つまり、かなり多くの人々がこぞって保護林を開墾し、農地としているということである。いかに、ゴム・プランテーションが地域住民にとって、生活の糧として役立っていないか、を示していると考えられる。 また8月末には、ポーランドで開催された国際学会で研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、年度2回の調査は実施できており、またデータも順調に収集できていると考えている。特に、予期していなかったアクシデントが起こるといったこともないため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、年2回、それぞれ10日前後の調査を行う予定である。インタビューの一部、特に重要だと考えられる内容については、ラオス国立大学社会学部に所属するメンバーの一人に文字起こしを依頼し、それをもとに、より詳細で正確な分析を行うつもりである。また、投稿論文を執筆し、学術雑誌に投稿を予定している。
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