カタルーニャの民俗文化「人間の塔」(Castells)は、伝統行事のみならず、カタルーニャ独立運動等の政治的な場にも登場してきた。本研究は人間の塔を対象に、カタルーニャにおける文化遺産の歴史的変化とその現在性を考察するものである。人間の塔とは、人が人の肩に立位の状態で乗り、積み上がるもので、高いもので10mを超える。つまり、危険と隣り合わせの活動なので、属性や思想等の様々な違いを超えて協調・同調する必要がある。本研究では、その「寄せ集まり」方とそれを維持する創意工夫を、チーム「サンツ」を対象に、技術的な側面よりも社会的な側面の重要性を考察し、LPP論における十全的参加についても再検討を行った。
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