研究課題/領域番号 |
18K01179
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研究機関 | 育英短期大学 |
研究代表者 |
佐藤 喜久一郎 育英短期大学, その他部局等, 講師(移行) (30728358)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人神信仰 / 寺社縁起 / 宗教テキスト / 古文書 |
研究実績の概要 |
本年度はコロナウィルス禍のため、予定していた文書調査とインタビュー調査が実施できなかった。本調査は、在地縁起をはじめとする個人所蔵の文字記録や、小集団に語り伝えられてきた伝承などを対象に行われるものであるが、その際には所蔵者の許可を得て、被調査者の健康に留意しながら研究を進める必要がある。 ことにこの分野の伝承者は高齢者が多く、大人数の研究チームが文書撮影や口頭伝承の録音のため調査に訪れることは、感染リスクを高めることになる。そのため、コロナ禍のもとでは、計画されていたような調査はまったく実施できない。また、研究代表者をはじめとする少人数の研究者による調査も、信頼関係を維持するため被調査者からの承認をえるまでは再開しないこととした。そのため、本年度は新たな発見(未調査の文書群、貴重史料、音声データなど)がなかったことから、研究代表者は研究史を再整理して研究の方向性を練り直したり、本研究の過去の成果を文献資料などと対照して再解釈したりし、コロナ収束後に新規調査をどのような形で進めてくべきか検討した。 なお、これまでの調査で発見した資料のうち、学術的価値がきわめて高いものについては、本研究の完成後、画像データとして公開するものとし、コロナ収束の兆しが見えない場合においても、優先してデータ化の作業を行なっている。広く市民にも容易に利用できるものとするため、資料保存のため画像処理や目録作成などの作業を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のため、当初予定していた調査(古文書調査とインタビュー調査)がまったく実施できなかった。本研究は、古老などへの聞き取り調査と、個人宅での文書調査の実施を前提としているため、対面での調査が行えない場合は新たな成果が得られず研究が進まない。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の収束を待ち、インタビュー調査と文書調査を再開する。また、それらが予定通り行えない場合でも、文字資料のデジタル化と公開準備作業については優先的に実施するものとし、今年度以内にデータの画像処理を終えるものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ禍のため予定していた新規調査をまったく行えず、研究代表者がひとり前年度までの調査成果の整理分類にあたった。そのため人件費や交通費の負担がなかった。次年度はコロナ禍の収束を待ち、インタビュー調査と文書調査を再開する予定である。
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